なぜすっぽんは高級食材なのでしょう?日本では縄文時代の遺跡からもすっぽんが発見されており昔から人々に食べられていたと考えられます。
甲羅は呪術に用いられ、宗教とも関係の深い生き物でした。
江戸時代には蕎麦や焼きとりと同じ様に屋台で食べられており、庶民の食卓にならぶ食材でした。
その味は淡白で美味。
しかも滋養強壮にいいとあって次第に人気の食材となり、天然のすっぽんが激減しました。
天然のすっぽんの生息地は北海道以外の本州以南で、割とどこの池や川にもいたようです。
しかしとても神経質で臆病な性格のため天然物はほとんど人の目に付くことはなく個体数も不明です。
一部ではニホンスッポンは絶滅の危機にあるのではないかとさえいわれています。
明治時代以降の浜中湖で養殖が始まり現在では特に九州に多くの養殖地があります。
バブル期に高級食材として人気に火がつき各地にすっぽん料理の専門店ができたので、その滋養強壮効果とともに再び庶民の憧れの食材となりました。
すっぽんの甲羅はコラーゲンのかたまりに覆われていることは有名なのですが、その他にも9種類の必須アミノ酸・リノール酸・ビタミンB群・カルシウム・鉄
などミネラル類が豊富に含まれており、男性の滋養強壮だけでなく、女性にも嬉しい食材なのですからみんなが食べたくなる訳です。
微量ながらも20種類のアミノ酸がすべて含まれているとの報告もあります。
このような素晴らしい栄養成分バランスの食材は他に類をみません。
良質なアミノ酸が豊富に含まれている為、アミノ酸から作られるタンパク質も素晴らしい働きをしてくれます。
その姿はグロテスクで一度噛み付いたら離さないという性格、さらに捌くためにはそれなりの知識と技術が必要という人を遠ざける食材である半面、上品で淡白な味は一度食べたら忘れられず、栄養成分と高い効果のため需要が減る事はありません。
だからこそすっぽんは高級食材として不動の地位を築いているのです。